大洗の町おこしが成功した理由〜ガルパン聖地巡礼から考える〜

 

茨城県大洗町はアニメの聖地巡礼で町おこしに成功した町である。

 

近年、アニメの舞台を実在する町にすることで、アニメファンにその地に観光に来てもらい、町おこしをしようという取り組みが広がっている。

しかし、全部が全部成功しているわけではない。

むしろ、盛り上げに失敗している市町村の方が圧倒的に多い。

 

その失敗の要因としてアニメ作中での執拗なアニメ聖地の“押し付け”が挙げられることがある。聖地をアニメで全面に押し出すことでファンが逆に引いてしまうのである。だからこそアニメでの町おこしはファンとの“対話”が大事だと言われてきた。

 

しかし、ガルパンはアニメでは初回から大洗をけっこう押し出している。主人公たちの高校名が「大洗女子学園」なのも露骨だし、メインキャラたちが自分たちが住んでいる町を「大洗」と直に言っている。

このように聖地の固有名を出してしまうアニメは珍しく、聖地を決めていても地域の描写を背景として描くだけにとどまる場合が多い。

では、なぜ露骨に聖地「大洗」を押し出したにも関わらず、ガルパンによる大洗の町おこしは成功したのだろうか?

 

1つにはアクセスの良さ。東京から車で二時間弱という近さ、さらには町営の無料駐車場が完備されていて、これがまた広く、日帰りで行きやすいという面があった。(水戸からも電車で3駅)

 

2つ目は街中に置かれているキャラの等身大立て看板の存在。ガルパンはキャラが多いことで有名であり、そのキャラ一人一人を模した立て看板が50以上大洗の街中に飾られている。ファンとしてはその看板を制覇したい欲求に駆られ、大洗の商店街を隅々まで周ることになる。そして立て看板は商店街の店先に並べられており、立て看板を周るついでにその店にも入り、地元の人との交流も生まれるのである。

またガルパンのアニメをきちんと見ている商店街の人が多く、ファンの人とアニメの話しを出来る場合が多い。ファンはそういうところにはもう一度来たいと考える。

 

3つ目にガルパンというアニメの特殊な事情がある。ガルパンは女の子が戦車に乗って模擬戦を行うアニメであり、市街地戦を行い、大洗の町を戦車で駆け回りながら、時には建物を損壊してしまったりする。その戦いの場を見てみたいと考えるファンは多く、一般的なアニメでキャラが日常生活を送るよりも聖地巡礼への欲求が大きいのである。

 

以上が大洗が町おこしに成功した理由である。これからはこの盛り上がりをどれだけ維持出来るかにかかっていると言える。